2011年04月22日

日本の衛星「だいち」による東日本大震災の被災地写真を無償公開、自治体などでの利用を想定【改訂】


リモート・センシング技術センター(RESTEC)のプレスリリースによると、東日本大震災の被災地の衛星写真をこちらで無償公開していますが、自治体などでの利用を想定しています。

日本の陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS、2006年1月打上げ)とタイの地球観測衛星「テオス」(THEOS)により撮影された地震前後の衛星画像を使用して作成しているとの事。

「だいち」は一度に幅70kmの範囲を2.5mの分解能で観測でき、1/25000の地図作成・地域観測・災害状況把握 ・資源探査が任務。「テオス」は解像度2m(?)。


ジオアイ社のジオアイ1(GeoEye-1、2008年9月打上げ)を使ったGoogle Maps(Earth)では50cmの解像度といいます。これまで緊急の状況把握には高精細な映像が必要だったので、映像として見られるGoogle Mapsなどが注目されました。
今回は提供媒体としてA1用紙への印刷や電子媒体上で書き込みのできるpdfファイルを使っており、これから被災地の復旧・復興計画策定に向けて、津波の影響等による移動構築物の距離計測や被災地域の面積計測等が可能であるとしています。



そうは云っても、100%で印刷してもこの程度の精度(100%表示が必要)です。




衛星寿命との関係もあって、「だいち2号」(レーダー衛星、2013年打上げ予定)や「だいち3号」(光学衛星、2014年打上げ予定)を計画しているようですが、(スパイ衛星の精度との関係もあり、良くても)ジオアイ1と同程度の解像度(計画では解像度 1m)になるのではないでしょうか?


東京電力福島第1原発事故の状況把握で外国機関のデータに頼っているのを理由にして、「JAXAが打上げ前倒しを要請」の報道ありました。しかし、こちらで投稿したようにそこで使っている観測衛星「ワールドビュー2」も、ジオアイ1と同程度の解像度のようです。



所が、Google Mapsでは被災地に限って衛星写真を航空写真に切替えています(こちらを参照)し、東京電力福島第1原発の状況把握では無人偵察機グローバルホークや無人ヘリコプターなどが使われているようです(こちらを参照)。報道の記事中でも、アメリカ軍は「グローバルホーク」より、無人ヘリコプターの方がより低いところからの写真撮影などが可能だと云っている・・・


「だいち」には災害状況把握の役割があるので「前倒し要請」はいいとしても、狭い限られた地点を把握する手段と、広い地域の状況を把握する手段を混在させて、中途半端なものにならないようにすべきと思いますがどうでしょうか。(尤も、このような状況把握をする全体の役割設定していくのがリーダーシップですが、どこがリーダーシップを発揮するのか・・・?!)

また、説明責任として衛星写真が復旧・復興の(計画する)現場でどのように役立ったかをもっと宣伝すべきだと思います。今回のプレスリリースやサイトでは情報提供をした所までしか広報していないのですが、その先の現場でどのように(具体的に)使われたかを広報すれば、国会での予算獲得にも大きい効果を発揮するのではないでしょうか。


尚、プレスリリースによると、急な発生電力の低下によって、搭載観測機器の電源がオフ状態になったとの事。設計寿命3年、目標寿命5年を超えて運用していたのですが、東日本大震災への対応で必要なタイミングの故障は痛い・・・



[改訂]2011年04月25日 14:50 「だいち」が故障



 
posted by 鎌倉太郎 at 16:06
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