ツアー4日目午前はアスワンからルクソールへ移動しましたが、その途中でコム・オンボ神殿とエドフのホルス神殿を見学。コム・オンボ神殿については、前回に投稿しています。今回はエドフのホルス神殿。
エドフ(Edfu)のホルス神殿(Temple of Horus)についての解説は、現時点でWikipediaの英語版しかありません。
エドフには先史時代からホルス神を祭る至聖所があったとの事ですが、現在のホルス神殿はプトレマイオス朝時代に建設されたもの。このホルス神殿はナイル川の氾濫時の砂に埋もれていたので、レリーフなどは後世の破壊を免れたとの事か。ガイドの説明では、一時期迫害されたキリスト教徒(コプト教)の隠れ家になり、レリーフの神々の頭部が偶像崇拝を嫌ったキリスト教徒などに削られています。
「ホルス神」についてはこちらを参照。
「コプト正教会」についてはこちらを参照。
尚、現在のエジプトにはコプト教の人が約10%、イスラム教の人が約90%という割合のようです。
ホルス神殿のレイアウトは下図の通り。リンク先サイトでは、図上でクリックしたポイント(至聖所、塔門、壁面など)の写真が見られます。
Edfu-Projekt via kwout
下が塔門、上部中央が至聖所、丸は列柱、列柱に囲まれた広い場所が中庭。ホルス神像は塔門の両側、中庭の上部の第1列柱室の入口両側にあります。
巨大な塔門(一部に彩色が残っています)
列柱(一部に彩色が残っています)
天井の黒い部分は、迫害されたキリスト教徒(コプト教)の隠れ家になっていた時の生活ススの跡。
礼拝堂・壁面のレリーフ
回廊・壁面のレリーフ
塔門脇のホルス神像(記念写真のポイント!)
もう一度ホルス神殿のレイアウトを見てください。礼拝堂の中に至聖所を囲むように小さな部屋があります。
ガイドの説明によると、古王国から新王国などでは神殿を寄進するのはファラオに限られていましたが、末期王朝・プトレマイオス王朝時代になると、貴族達も部屋の単位で寄進に参加するようになったのだそうです。
また、一般の人もファラオや神のレイアウトの横に、金の寄進で名前を刻めるようになったとの事。
尚、このサイトでは、1:150のスケールでホルス神殿を往時の状態でモデル化した時の写真があります。天井や壁の一部を透明状態にしてモデル化していますので、至聖所のレイアウトや塔門の構造体が判ります。
Edfu-Projekt via kwout
更に、YouTubeに登録された動画で神殿の様子がよく判ります。神殿自体が大きいですが、塔門に至るまでも距離があるのです・・・
Temple of Edfu Egypt
【改訂】2010年6月14日 10:30 リンク先の修正