公式ブログによると、Google Docsにアップロードできるファイルの形式に制限が無くなり、250MBまでのファイルも保存ができるとの事。1GBまでは無料で、それ以上は有料ですが20GB毎に5ドル(最大1TBで256ドル)で利用できます。発表時点(2010年1月12日)では暫く経ってから実際のサービス開始になるとの事でしたが、現時点で利用できるようになりました。
アップロードする際のファイル指定をするウインドウを表示するまでに時間の掛かる時がありますが、アップロード自体の時間には問題がありません。一回の指定で複数ファイルを同時にアップロードできます。
Google Docsメニューのアップロードアイコン(
これはGoogle Docsにアップロードした画像で、サムネイルをクリックする事で表示するKwoutサービスを活用)
ファイルアップロード時の指定ウインドウ(
これもGoogle Docsにアップロードした画像)
アップロードしたファイルのセキュリティは、これまでのGoogleドキュメントと同じ。ファイルの活用にはダウンロードを基本としていますが、画像についてはプレビュー表示もできます。
マイクロソフトの同等な(無料の)サービス機能として
SkyDriveがありますが、こちらは(無料で)最大25GBまで利用でき、保存できるファイルの最大は50MBまで。
情報の蓄積方法の考え方を簡単に言うと、グーグル社は全てを(インターネット上で)クラウドに蓄積する事をコンセプトにしていますし、マイクロソフト社は基本的にローカル側(企業・自宅におけるサーバを含む)で蓄積し必要によりクラウドを活用するように奨めています。利用者にとっては無料の利用範囲が拡大していく事は望ましい事ですが、ローカルにあるPCでも数百GBのHDD容量は当り前になっている時に、使い分けをしていく必要があるのではないかと思います。
そこで(無料の範囲での)制限について、我家の利用状況・環境での数値を基に使い分けをする時の考え方をまとめてみます。
我家では1年に1度は2週間ほど(1週間の旅行を2回の場合もある)旅行する事を目標にしています。実際に2009年春(5月末から6月)にサンフランシスコとロサンゼルスに行った時(2週間)の写真やビデオのHDD上での容量データを使ってみます。旅行の内容などは
こちらを参照。
我家で利用しているビデオ機(静止画も可能)は(少し古くなりましたが・・・・)
SANYOのデジタルムービーカメラDMX-C5です。殆どが(このビデオ機での)高画質(動画:640×480 30fps、写真:5百万画素 標準圧縮)としています。ビデオを撮る頻度や撮影写真の枚数などはパワーユーザの部類に入る(?)と考えて(自負して・・・)います。しかし、最近のハイビジョンビデオ(カメラ)機のスペックで撮るユーザの利用HDD容量という意味では、下の数値は当り前の容量かも知れません。
- 利用HDD容量:4.2GB
- ファイル数:2005(内ビデオは85本 他は写真)
- ビデオの1本の撮影最大時間(1本のみ) 約22分(約489MB)
他に100MBを超えたのは2本(約159MB 約7分、約116MB 約5分)。
後は殆どが50MB以下(約2分)。 - 1日に撮影した写真の平均枚数:約160枚(殆どの場合、ワンショットで2回の撮影をしているので、実質80枚程度)
参考までに借用した1年ほど前に発売された
ビクターのビデオカメラ「Everio GZ-HD300」の場合、(ある人が家族を撮影したフルハイビジョンのビデオでは)
- 1回の撮影時間:約2分~7分
- ビデオのファイルサイズ:約233MB(約2分)~877MB(約7分)
また、最近のコンパクトデジタルカメラは910万~1470万画素(中心が約1200万画素)である事から、上記の「1日に撮影した写真の平均枚数」という枚数も旅行なら1日20枚ぐらい撮るのと同等になりますし、1年で延べ14日ぐらいの小旅行・イベントなど、何らかの形で撮影現場はあるでしょう。
従って上記の利用HDD容量4.2GBは、1年間の必要容量としては寧ろ少なめではないでしょうか。最近のビデオ(カメラ)機器にはSDメモリーなどに記録媒体で64GBを持つものまででていますので・・・・
ファイルのサイズも、フルハイビジョン映像では2分ぐらいがGoogle Docsで登録できる限界です。
さて、前提の話しを終えて、クラウドでの蓄積理由として考えられるのは、
- ローカルのデータを全て移し替える(又はバックアップ)
- コミュニケーション(共同作業)の為のエリア
- ローカルでの成果の公表・蓄積(又はバックアップ)
といった所ではないでしょうか。
上記の「利用HDD容量」ではGoogle Docsにおいて有料の範囲に入ります。MS SkyDriveでも数年で使い切ってしまいますので、長期に亘って蓄積するには、(現状の無料サービス範囲では難しいですが)バックアップ用のHDD機器を購入するする費用(1TB程度でメーカ希望小売価格は現状で1万円ぐらい)を考えると、転送時間・バックアップの手間ひま・電気代(?)・通信費などのその他の考慮をしても、インターネット・サービスを検討する価値は十分にありそうにも思います(有料のインターネットサービスはグーグル社に限らずにあります・・・・)。HDD機器の低価格化も急速になっていますので、その点も考慮する必要があります。
ここで何時も課題になるのがダウンロードする時間とセキュリティ。
ダウンロードする時間については単に参照するという使い方ではなく、動画編集などをローカルPC上のアプリケーション(例えば、Ulead VideoStudio)で処理する際のダウンロードとアップロードも含めます。ローカル処理と同等の機能・性能で利用できるサービスが、(パッケージ購入に劣らない)低価格であるといいのですが・・・・・(静止画の無料で使えるアプリケーションについて近づいてきていますが、タブレット手描きとかの多様性の面では未だ)
我家の私的な個人情報に関するセキュリティについては、Google mailへのサイバー攻撃のような政治的・企業(軍事)機密に絡みのある課題はないにしても、ID・パスワードの漏洩(サービス側の問題、利用者側の認識の甘さの問題の両面がある)などが発生しています。ウェブサービスとして公開を前提にしているサイト(指定で非共有・非公開)もあれば、公開・共有指定をして初めて公開するタイプなど、指定の仕方にも統一がなく、利用者が誤解(認識不足)で扱っている(場合によって不要な心配をしている)ように思います。単なる一例ですが、ID・パスワードで管理しているはずのページが、検索したら出てきた事もありました。私としては、個人・特定組織に関連する情報のクラウドにおけるセキュリティについて、十分な自信が持てない(安心できない)との認識を持っているので、共有・公開を前提とする情報以外はアップロードしていないというのが現状です。
本ブログ「我家のIT化」に関連して多くの画像をSkyDriveに登録(画像サイズは、1024×768を基準)してきましたが、動画はYouTubeを使っていますので、SkyDriveでの利用容量はまだ1GBを超えていない状況です。
大上段に構えてしまいましたが、我家での情報蓄積の考え方として、公開・共有を前提とした(処理済みの)情報をクラウドへ出していく範囲で活用していくのが、(現状と変わりませんが)良いと思っています。勿論、一般公開するのと同じ感覚を持てる(セキュリティのリスクが少ない、ファイルの自由なダウンロードを許可する)人・情報にはもっと幅広く有効な保管エリアになります。
我家での使い方(ブログ用、共有として)
1.高解像画像の参照(本記事の場合、サムネイルをクリックすると2592×1944ピクセルの画像にリンク)
横浜港を出航する客船の見送り
2.動画の登録
3.Google Earth3D指定用ファイル(.kmz)
4.Google Docsに形式変換しない(できない場合も)マイクロソフトOfficeファイルなど
5.ブックマークのエクスポートしたHTML
6.メール添付ファイルの代替
7.アプリケーションの活用で、ローカルとクラウドの同期や自動バックアップ
これらのファイルをGoogle Docsへ実際にアップロードしたフォルダは
こちら。動画は「サンフランシスコ・監獄島へのフェリー」、kmzはサンフランシスコの観光ポイント。
【改訂】2011年01月12日 14:15 Google Docsのセキュリティ上の理由につきアクセス拒否されていたイメージを修正