2012年03月31日

首都直下地震の震度分布図や「南海トラフ」地震・津波の新想定を公表、津波の対策は逃げるしかない・・・


報道にありましたが、文部科学省のこちらのニュースリリースで首都直下地震防災・減災特別プロジェクトにおける震度分布図を公表しました。

実際にはこちらのpdfファイルに想定する発生場所毎の震度予測図になっています。ポイントは震源の深さが以前より浅い場所を想定した(ものもある)事と東京都内や川崎市などに震度7地域が出てきた事。


複数の分布図では想定場所(と深さ)を変えているので、1つの場所でも少しずつ震度が違いますが、その中の最大震度を想定する必要がありますネ。



このような事を調べている最中、こちらなど多くの報道で「東海・東南海・南海地震が起きる南海トラフ(浅い海溝)の巨大地震で最大津波34メートル」という事が伝わってきました。年度末の成果発表会のようですが・・・(こんな冗談をいっておれませんが・・・)

「南海トラフ」地震・津波の新想定【2012/03/31】

我家のある首都圏でも影響は大きく、東京・新島で29.7m、神奈川県鎌倉市で9.2m(こちらを参照)の津波を予想。



2012年3月30日に公開された神奈川県の「津波浸水予測図」のページ(こちらを参照)では、
・・・平成23年3月11日に発生した東日本大震災による甚大な津波被害を受け、・・・今後の津波防災対策の基本的な考え方について、住民避難を柱とした総合的防災対策を構築する上で想定する津波は、「発生頻度は極めて低いものの、発生すれば甚大な被害をもたらす最大クラスの津波である」とされ・・・
津波浸水予測を再検証・見直しをした結果で、「南関東地震」に対する鎌倉市の最大津波高さは8m(こちらを参照)となっています。

明応7年(1498年)8月25日、和歌山沖で発生した明応地震によって、津波は長谷の大仏を襲ったといいます(こちらを参照。各種議論があるようです)が、同じ再検証・見直しによるその浸水分布(予測図。こちらを参照)では最大津波高さが12.9mとなっています。



こちらでは南関東地震を想定した津波伝播アニメーションを掲載しています。


津波が反射して戻ってくる様子が判ります。



今更ですが、東日本大震災の前から事前の地震が発生しているのがこちらのアニメーションで判ります。



動画の10分経過後辺りから始まるこちらの様子から、2日前であれば大地震を認識できた可能性があります。




地震の発生原理や地震計測の状況から把握しようとするのが現在の地震学のように見受けられます(専門家ではありませんが・・・)。最近は地層の堆積状況からこれまでの経緯を探ろうという研究にも力を入れているようですが、こちらのプレゼンテーションのように大規模な歴史的地震経緯を統計的に探る手法も説得力があると思います(動画の9分後当たり。こちらを参照)。

東海地震が切迫している理由:「BCPって何?」





このような巨大地震に対する対策として構造物では対抗できないという認識になってきています。やはり逃げるしかありません。海岸地帯から離れている場合でも、通勤・出張・旅行先などで遭遇する可能性があります。その際に、海岸との距離や間にある山などの地形で一概にいえないでしょうが、現在地の標高が1つの目安になります。

使い易い(又は、地震予報通知と連動してGPSによる位置情報から近くの高所を紹介などする)スマートフォン・アプリがあると良いですが、取り敢えずは、出先の標高情報を少し頭に入れておく事でしょうか。

その意味で、こちらのサイトは海面が上昇したらという主旨ですが、逆にみれば標高が分るので使ってみてはどうでしょうか(右上で、「China & Japan」をクリックすれば日本近海になります。左上の「Sea level rise」で指定)。

名古屋近辺中心で、2mと指定



 
posted by 鎌倉太郎 at 23:36| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記-東日本大震災 | 更新情報をチェックする

2011年10月24日

文部科学省が「放射線量等分布マップ拡大サイト」を公開


文部科学省のプレスリリースによると、 、地域ごとの放射線の影響を詳細に把握できる「文部科学省放射線量等分布マップ拡大サイト」を作成しました。放射線量等分布マップ(線量測定マップや放射性セシウム等の土壌濃度マップ)や文部科学省がこれまでに実施してきた様々なモニタリングの結果を拡大して確認できるとの事。



実際にこちらからアクセスします。「利用規約及び使用条件」を確認した上で、サイトのマップを見るとこのような表示になります。






「日常生活で受ける放射線と人体影響」に関する解説はこちらにあります。

(世界平均)1人当たりの自然放射線(年間)は、2.4ミリシーベルト(mSv)との事。「0.5マイクロシーベルト/時は、年間約2.5ミリシーベルト」などといったこちらを参考にすると、概略でこちらのようなレベルと云えます(必ずしも正確ではありませんが・・・・但し、集約して蓄積したものの摂取は別)。




高自然放射線地域「ブラジル ガラパリ」についてはこちらを参照。


 
posted by 鎌倉太郎 at 12:25| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記-東日本大震災 | 更新情報をチェックする

2011年06月17日

国土地理院が東日本大震災前後の写真を比較できる情報を公開、だが旧写真は殆ど30年以上前に撮影・・・


国土地理院は、「平成23年(2011年)東日本大震災に関する情報提供」として、新たに
  • 被災地域の斜め写真(こちら)
  • 動的な仕組み(BeforeAfter)による新旧写真の比較版(こちら。軽量表示サイトはこちら)
を公開しました。

改めて東日本大震災の悲惨さを感じざるを得ません。



所で、2つ目の新旧写真の比較ですが、旧写真といっている東日本大震災前の航空写真の殆どが、1977年以前(一部、1984年、2008年)になっています。さすがに30年以上も前の状況からは、防波堤も増えたり大きな建物が増えたりしています。

この30年間で東北地方の撮影は、都心部を除いて実施していないという事なのでしょうか?国土地理院になくても日本のどこかの部門(組織)でもないという事なのでしょうか?(関連投稿:こちらも参照)



Google Earth(Maps)を見ている現状からすると、信じられない状況であると認識せざるを得ません(こちらを参照)。


 
posted by 鎌倉太郎 at 18:32| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記-東日本大震災 | 更新情報をチェックする

2011年05月20日

福島第一原発の状況を1ページにまとめているウェブサイト「福島原発事故」


福島第一原発の危機状況は、冷却化などの作業は遅れながらも状態は安定しているようで、ニュースの話題にならなくなって来ています。しかし、現実には核燃料棒の損傷・溶融など、今後の環境への影響が心配になるような状況なのではないでしょうか。

また、1号機から6号機まであって(5号機と6号機は特に問題になる事はなさそうですが・・・)、各々別の状況になっていてます。


そこでこれらの状況を1ページにまとめてくれているウェブサイトがあります。1日1回ぐらいの更新をしているようです。一度アクセスしてみてください。

「福島原発事故」サイト






 
posted by 鎌倉太郎 at 12:48| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記-東日本大震災 | 更新情報をチェックする

2011年04月22日

日本の衛星「だいち」による東日本大震災の被災地写真を無償公開、自治体などでの利用を想定【改訂】


リモート・センシング技術センター(RESTEC)のプレスリリースによると、東日本大震災の被災地の衛星写真をこちらで無償公開していますが、自治体などでの利用を想定しています。

日本の陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS、2006年1月打上げ)とタイの地球観測衛星「テオス」(THEOS)により撮影された地震前後の衛星画像を使用して作成しているとの事。

「だいち」は一度に幅70kmの範囲を2.5mの分解能で観測でき、1/25000の地図作成・地域観測・災害状況把握 ・資源探査が任務。「テオス」は解像度2m(?)。


ジオアイ社のジオアイ1(GeoEye-1、2008年9月打上げ)を使ったGoogle Maps(Earth)では50cmの解像度といいます。これまで緊急の状況把握には高精細な映像が必要だったので、映像として見られるGoogle Mapsなどが注目されました。
今回は提供媒体としてA1用紙への印刷や電子媒体上で書き込みのできるpdfファイルを使っており、これから被災地の復旧・復興計画策定に向けて、津波の影響等による移動構築物の距離計測や被災地域の面積計測等が可能であるとしています。



そうは云っても、100%で印刷してもこの程度の精度(100%表示が必要)です。




衛星寿命との関係もあって、「だいち2号」(レーダー衛星、2013年打上げ予定)や「だいち3号」(光学衛星、2014年打上げ予定)を計画しているようですが、(スパイ衛星の精度との関係もあり、良くても)ジオアイ1と同程度の解像度(計画では解像度 1m)になるのではないでしょうか?


東京電力福島第1原発事故の状況把握で外国機関のデータに頼っているのを理由にして、「JAXAが打上げ前倒しを要請」の報道ありました。しかし、こちらで投稿したようにそこで使っている観測衛星「ワールドビュー2」も、ジオアイ1と同程度の解像度のようです。



所が、Google Mapsでは被災地に限って衛星写真を航空写真に切替えています(こちらを参照)し、東京電力福島第1原発の状況把握では無人偵察機グローバルホークや無人ヘリコプターなどが使われているようです(こちらを参照)。報道の記事中でも、アメリカ軍は「グローバルホーク」より、無人ヘリコプターの方がより低いところからの写真撮影などが可能だと云っている・・・


「だいち」には災害状況把握の役割があるので「前倒し要請」はいいとしても、狭い限られた地点を把握する手段と、広い地域の状況を把握する手段を混在させて、中途半端なものにならないようにすべきと思いますがどうでしょうか。(尤も、このような状況把握をする全体の役割設定していくのがリーダーシップですが、どこがリーダーシップを発揮するのか・・・?!)

また、説明責任として衛星写真が復旧・復興の(計画する)現場でどのように役立ったかをもっと宣伝すべきだと思います。今回のプレスリリースやサイトでは情報提供をした所までしか広報していないのですが、その先の現場でどのように(具体的に)使われたかを広報すれば、国会での予算獲得にも大きい効果を発揮するのではないでしょうか。


尚、プレスリリースによると、急な発生電力の低下によって、搭載観測機器の電源がオフ状態になったとの事。設計寿命3年、目標寿命5年を超えて運用していたのですが、東日本大震災への対応で必要なタイミングの故障は痛い・・・



[改訂]2011年04月25日 14:50 「だいち」が故障



 
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2011年04月14日

複数の国の気象関係機関で行われている福島第一原発の放射能拡散シミュレーション


福島第一原発の放射能拡散シミュレーションが、複数の国の気象関係機関で行われています。ここでは単純に一覧としてまとめてみました。

1.フランスの研究所のシミュレーション

2011年3月12日~3月20日の期間に放出されたと推定される放射線物質の大気中での拡散状況

Japon : le "panache" radioactif en images





情報源サイト(pdfの中で「シミュレーションの再生」をクリック)

実施機関   フランス放射線防護原子力安全研究所、[仏]l'Institut de Radioprotection et de Sûreté Nucléaire:IRSN、[英]Radioprotection and Nuclear Safety Institute



2.ドイツ気象局のシミュレーション

2011年4月4日時点で、4月4日~7日の大気中での拡散予測

日本で公表されない気象庁の放射性物質拡散予測 2011.04.04





情報源サイト(「Loop starten」表示のサムネイルをクリック。参照時点から3日間程度の拡散予測を随時更新?)

実施機関   ドイツ気象局、[独]Deutscher Wetterdienst、[英]German Meteorological Service:DWD



3.ノルウェーの研究所のシミュレーション

2011年4月2日時点で、4月3日~7日の大気中での(セシウム137)拡散予測

NILU 20110402-07 Cs-137 全層 UTC





情報源サイト

実施機関   [ノルウェー]Norsk Institutt for luftforskning:NILU、[英]Norwegian Institute for Air Research)



4.オーストリアの研究所のシミュレーション

2011年4月5日時点で、4月5日~7日の大気中での(ヨウ素131)拡散予測

ZAMG 20110305-07 UTC




AREA-Aは0.3Micro-Sievert/h(自然界レベル)、Area-Bは3Micro-Sievert/h、・・・、Area Eは3Milli-Sievert)

情報源サイト(ページの下部にある「Video」をクリック。参照時点から3日間程度の拡散予測を随時更新?)

実施機関   [独]Zentralanstalt für Meteorologie und Geodynamik:ZAMG、[英]Central Institute for Meteorology and Geodynamics


 
posted by 鎌倉太郎 at 10:30| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記-東日本大震災 | 更新情報をチェックする

2011年04月10日

もし自宅が東日本大震災のような被災にあったら、法律は何をしてくれる・・・


東日本大震災で被災地の復興に向けて、法律的な知識が必要になっているようです。実際に被災している方には直接に専門家の対応が必要ですが、幸いにして被災していない地域でも自分の身に降りかかった時の法律を知っておくと良いかも・・・・


そこで阪神・淡路大震災を機に緊急出版したQ&A形式の書籍を、電子媒体上で復刻したサイト(こちらこちら)があります。

何れも現状は絶版になっていますので、現状の法律に対応しているか分りませんし、専門家の為の実務ハンドブックになる事を想定しているようですから、少し難しい表現になっているかも知れませんが、法令文ではなくQ&Aの形式になっているので、知りたい事のページを探しやすくなっています。

もし「我家が地震・津波にあって全壊したら・・・」と想定して、保険は・・・、ローンは・・・、税金は・・・、証券・身分証明書などがなくなったら・・・、仕事は・・・とチェックしてみたらどうですか?


兎に角どんなものかを知る為にはこちらが参考になります。


 
posted by 鎌倉太郎 at 22:27| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記-東日本大震災 | 更新情報をチェックする

2011年04月02日

東日本大震災で被災地向け救援物資を受け付けている公共機関・組織と輸送先についてリツイートするアカウント


ジャストシステム社が、自然言語処理を用いてTwitterでの東日本大震災・支援行動ツイートを収集・解析して、被災地向け救援物資を受け付けている公共機関・組織と輸送先についてリツイートする「行動支援NLP」アカウント(@koudou311)を開設しました(こちらを参照)。





自然言語処理もこんな風に役立てる事ができるようになったようです。支援のニーズが集約されるので、非常に良い。できたら、支援側の地域(自治体)毎に振分けられるともっと判り易くなると思う。改善を期待したい。


 
posted by 鎌倉太郎 at 21:02| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記-東日本大震災 | 更新情報をチェックする

2011年04月01日

東北・太平洋沿岸地震で南相馬市 原町火力発電所の津波襲来のYouTube動画【改訂】


東北・太平洋沿岸地震で被災した南相馬市 原町火力発電所で撮られた津波襲来の映像がこちら(登録者により削除)こちら

東北地方太平洋沖地震 津波の瞬間 南相馬市 tsunami(tunami)【Japan】





福島・原町火力発電所が大津波に襲われる瞬間の映像がネット上に掲載






最初は、揺れが収まり初期津波(?)で敷地内に浸水していても、この程度で収まったようだ・・・と安堵していた様子ですが、本格的な津波の襲来に慌てて「避難、避難」・・・

YouTube上での投稿者コメントによると、
・・・サービスビル3階まで浸水、4階で火災発生、徹夜でバケツリレーによる消火活動で鎮火、1号タービンは津波が来た時爆発。翌日昼前に安全を確認後、全員発電施設から高台の事務所に避難完了。・・・最低限の被害に納まりました
との事。


やはり想定できなかった地震の襲来なのでしょうか。


【改訂】2011年04月02日 15:20 YouTube動画の入換え


 
posted by 鎌倉太郎 at 10:24| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記-東日本大震災 | 更新情報をチェックする

2011年03月31日

東北・太平洋沿岸地震の被災地写真が、衛星写真から航空写真になって鮮明に【改訂】


グーグル社公式ブログ(日本版)によると、宮城県仙台市から県南部を撮影した航空写真をGoogle EarthやGoogle Mapsの航空写真レイヤーで見る事ができます。今後も順次、最新の画像にアップデートするとの事。

以前の投稿で被災地の衛星写真を組み込んでいますが、今回は航空写真を反映しています。



現状は仙台市から県南部を撮影した写真を反映しているとの事ですが、今後地域を拡大するのでしょう。衛星写真(地域は違いますが、こちらを参照)に比べて、航空写真は非常に鮮明です(こちらを参照)。何れも上空330mほどから見たと想定した映像です。

仙台市より北部地域(石巻市)




仙台市より南部地域(岩沼市)





同一場所で被災地の震災前と震災後の航空写真を見比べる方法は、こちらのスライドで説明するGoogle Earthのタイムマシーン機能で可能。



災害復旧作業の中で状況確認などで利用される事を期待しています。


【改訂】2011年04月01日 23:35 Google Earthで震災前後の衛星・航空写真を見る方法について追記


 
posted by 鎌倉太郎 at 21:08| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記-東日本大震災 | 更新情報をチェックする