2021年12月25日に宇宙誕生後以降に輝き始めたとされるファーストスター(種族III)の初観測を目標とする赤外線宇宙望遠鏡「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope)」を、ギアナ宇宙センター(Guiana Space Centre)から打上げました(こちら、T-30から)。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡はハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope)の後継とされますが単純な後継ではなく、宇宙探査の次のステップへ進める為の望遠鏡と言えます。可視光を中心に赤外線と紫外線の観測を可能とするハッブル宇宙望遠鏡に対して、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は赤外線観測に最適化する事でより高性能化(ハッブル宇宙望遠鏡の100倍と云われる)しています。宇宙の塵などで可視光が遮られるのに対し、赤外線では塵などを透過して見る事ができるからです。また、遠距離からの光は(宇宙の膨張などに依り)波長が伸びて赤外線の波長に達するので、この点でも観測し易くなります。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡はハッブル宇宙望遠鏡より大きく打上げ時は折りたたまれている状態なので、L2へ行くまでに展開・各種調整を行います(こちら)。
ハッブル宇宙望遠鏡では初期に焦点合せに問題が生じましたが、(遠すぎて修理に向かえない)ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡では是非とも焦点調整などに成功して素晴らしい成果を出してくれる事を願っています。