同タイトルの記述に対し、スループットについてコメントを頂きました(ありがとうございました)。
そこで実測ができない事とIT環境・やりたい事によってスループットの幅があるので、資料ベースでPLC関連の性能について数値的な面からまとめてみました。
まず、HD-PLCの性能データ。我家で使っているのは、アイ・オー・データ製ですが、アイ・オー・データは数値的な性能情報を出していないので、チップの提供元であるPanasonicの資料を基にします。
同じチップを使っているNTT東日本が全く同じデータを出しているので、アイ・オー・データ(Panasonicの製品OEM?)も同じであるとの類推です。
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn061113-1/jn061113-1.html
では、
通信速度 最大190Mbps(PHY速度)(注3)
実効通信速度 最大80Mbps(UDP)(注17)
最大55Mbps(TCP)(注18)
注3 理論上の最高通信速度です。実際の実効通信速度はUDPで80Mbps
(通信用評価装置SmartBitsRでの測定値です。)
TCPで55Mbps(Linux上で動作しているFTPサーバーとの通信においての測定値です。)です。
通信速度は電力線の状態、ネットワーク環境、およびその他の要因によって影響を受けます。
注17 通信用評価装置SmartBitsRでの測定値です。
注18 Linux上で動作しているFTPサーバーとの通信においての測定値です。
これはネットワーク上の負荷です。
ネットワークを流れるデータですが、映像データの場合、一定時間で流れるデータ量は或る一定量を確保しなければなりません。ハイビジョン映像では24Mbps(BSデジタルハイビジョン 22Mbps)、GyaoやYahoo!動画では768kbpsで配信、MPEG-2が2Mbps、WMV9が768kbpsです。
これらのデータが、クライアント数分だけ流れる訳ですが、Panasonicの公表実行速度を信じれば、PLCを含むネットワーク上はハイビジョン映像でも同時に2本分は流れる事になります。
クライアントの出入口であるPCのLANインターフェース負荷は、WindowsXP・タスクマネージの「ネットワーク使用率」をみると、我家のビデオデータの転送でも 7Mbps前後です(これはアプリケーションにより異なってくるはず)。
また、Panasonic製品としては(HD-PLCの規格として)、ホーム・ネットワーク向けのインテリジェントTDMA(Time Division Multiplex Access)やプライオリティCSMA/CA等のQoS機能(Quality of Service)も実装している為、映像データやIP電話のように連続性が求められるアプリケーションは優先的に伝送可能との事。用語は解説参照。
PLCのスループットに関しては、電気配線や近くコンセントに設置する家電品の影響で性能は違ってくるようです。これらを念頭に置きながらも、公表された資料ベースのデータで確認できた範囲では、一般家庭の使い方(PC台数、転送データ)ではスループットに関して問題はなさそうです。