2018年03月08日

「仁和寺と御室派のみほとけ」展を見てきた


3月7日に上野公園の東京国立博物館(平成館)で開催している「仁和寺と御室派のみほとけ」展(開催:3月11日まで)に行ってきました。



仁和寺」は訪れた事があります(こちらを参照)。その際に御所の新築をするに当って旧御所の移設を受けた事を知りましたが、皇室とのゆかりが深い事を示す品々を展示していました。例えば天皇直筆の国宝の宸翰「後嵯峨天皇宸翰消息」(こちら)、仁和寺を創建した「宇多法皇像」(こちら)など。






徳川三代・家光の寛永年間に、御所の改築のタイミングで、それまでの紫宸殿や清涼殿などの建物を仁和寺に移築して現在に形へするに尽力した「覚深入道親王(覚深法親王)」の像も展示していました(こちら)。




仁和寺は真言宗御室派の総本山で、真言宗系のお寺として弘法大師・空海らにより書写された国宝「三十帖冊子」(こちらを参照)や国宝「両界曼荼羅」(子嶋寺の金剛界曼荼羅)(こちら)などを展示しています






印象的であったのは、「白描図集」です。「別尊雑記」(こちら)の様に仏像・仏画などの製作時に参考とする画集です。曼荼羅図・十二神将図など幅広く多くの事例を展示していました。




鳥獣人物戯画」といえば、こちらのカエルやウサギなど動物の擬人化した漫画的な絵だけと思っていたのですが、これは「甲巻」であって展示には別の筆致で人々も描いた「丁巻」もあり、他に「乙巻」・「丙巻」がある事を調べて分かった次第です。




仁和寺の観音堂を壁画などを高精細画像で再現し、実際に安置されている仏像33体を展示しているのは珍しい試みで、ここだけ写真撮影(但しフラッシュ不可)できるのも有難い。下は「ニコニコニュース」のTwitterにおける動画です。




御室派のお寺に安置する多くの仏像展示がありましたが、国宝・重要文化財の中でも圧巻だったのは、葛井寺の本尊・国宝「千手観音菩薩坐像」でした(こちらを参照)。


普通は40本(胸前で合掌する2本の手を加えて42本)で千本とみなしますが、葛井寺の本尊は実際に千本以上の手を持ちます。こちらによれば、「千本の手は、どのような衆生をも漏らさず救済しようとする、観音の慈悲と力の広大さを表している」という概念からきています。何故40本なのか、仏教には「三界二十五有」という考えで、天上界から俗界・地獄まで含めて世界は25あるとしています。1本の手で全世界(25の世界)を救えるとすれば、1000 ÷ 25 = 40 本となります。完全には納得しがたい論理ですが、"千本"という数が"全世界を救う"という意味であるとすれば、1本で全世界を救える手が40本もあれば十分ではないか・・・といった後代の製作者(および依頼者)の思いなのでしょうか。



もう一つは33年に1度御開帳になるという中山寺の本尊「馬頭観音菩薩坐像」(こちら)です。


次回の御開帳は2028年との事です。



恐らく入場制限が掛かって、平成館に入るのに数十分の待ちがあると思いますが、後11日までの期間に時間をとって観覧する事をお勧めします。


 
posted by 鎌倉太郎 at 21:00| 神奈川 ☔| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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