第2日目が実際の観光のスタートです。最初はリスボンの市街からは少し離れたテージョ川(タホ川、Tagus、Tejo)沿いにある「発見のモニュメント(Padrão dos Descobrimentos)」です(こちら)。
記念碑自体は1940年の国際博覧会の象徴として作られ、1960年に再制作していますので観光対象になりえませんが、側面に並ぶ像でポルトガルの過去の栄光である大航海時代(15世紀半ばから17世紀半ば)に活躍した人物を知る事に意味があります。
東側(こちら)と西側(こちら)の両面に人物像が並びます。
西側には日本で知られる人はいませんが、東側には、フランシスコ・ザビエル(日本へキリスト教を伝道)、ヴァスコ・ダ・ガマ(インド航路発見)、フェルディナンド・マゼラン(世界一周を達成)がいます。
但し、マゼラン自身は途中で亡くなっており、彼が率いた艦隊が継いで達成しています。
「発見のモニュメント」に並ぶ人物の中に天文学者や数学者もいて、航路での位置を知る役割を果たしました。
先頭に立つのがエンリケ航海王子(Prince Henry the Navigator)で、探検航海者をパトロンとして援助・指導しました。
若い時にイスラーム勢力との攻略戦に参加し、現地のイスラム貿易の状況を知る事で、インドから香辛料などを独自に求める必要性を自覚したといいます。即ちインドに至るルートとして、イスラーム勢力が握る中東などを避けるルートの開拓が必要であるとの認識でした。
もう一つ、パトロンとして探検航海者を援助する時の資金です。ローマ教皇が廃止したテンプル騎士団を、ポルトガルだけが保護しその資産を引き継ぐなどしてキリスト騎士団を作りました。後にエンリケ王子がキリスト騎士団の指導者となります。この騎士団の莫大な資産がパトロンとしての資金になった訳です。
このような歴史を最初に知る事で、各観光地が歴史的に繋がっている事を認識できる良いスタートポイントであると旅行プランに感心しました。
記念碑の前の広場には大きな世界地図があり、ポルトガル人が各地に到達した年が刻まれています(こちらとこちら)。
前回も紹介した「4月25日橋(25 de Abril Bridge)」が近くに見えます(こちら)。
橋の対岸には「クリスト=レイ像( Sanctuary of Christ the King)」が見えます。