こちらの「世界初の船舶トンネルを建設する大胆な計画(The bold plan to build the world’s first ship tunnel)」と題するインタビュー記事から、ノルウェーの「スタッド船舶トンネル(Stad Ship Tunnel)」計画が話題を集めています。
先ずはこちらの動画をご覧ください。
「スタッド船舶トンネル」は国家計画として2018年に工事開始する計画をしており、スタッド半島(Stad peninsula、Stadlandet)の根元部分で300m以上の山 約 1.7km をくり貫いてしまおうという計画です(こちら)。
スタッド半島沖は非常に天候に左右されるエリアで、運航路の安定性・安全性から期待されています。
インタビューで工法について、先ず陸上部分のトンネルを水平に掘削し、上部と海面下部分の掘削は爆薬を使うとしています。海面下の部分については、海水が入らない様にトンネル出入口付近を残して掘削します。これだけ聞くと容易そうに聞こえますが、トンネルの幅は 36m (船舶航行用: 26.5m )で高さが約 50m (海面上: 37m 、海面下: 12m )というと想像を絶するかも知れません(こちら)。
現在の世界最大のトンネルボーリングマシン(Tunnel boring machine、シールドマシン、shield machine)が口径 17.6m ですから(こちらを参照。これまでの最大は日立造船が造った口径 17.5 m です)、海面上だけでも 37m というのが如何に大きいかが分かります。
工費は23億ノルウェークローネ(約300億円)で、3~4年の期間でできるそうです。完成すると、1日に最大100隻が通行可能で、ノルウェーの沿岸クルーズ船(フェリー)でこちらレベルの大型船も通過可能との事。