14日(土)に機会があって東京都立川にある国立極地研究所(National Institute of Polar Research)で隕石の話しを聞く事ができました。"極地"という名前からも北極・南極(そこに生きる生物、オーロラを含む)の研究がテーマですが、隕石は南極で採取できる事が多いので、この研究所でも扱うテーマだという事です。実際に南極では17,000個近くの隕石を見つけていて、現在世界最大の隕石保有国なのだそうです。
何故南極で隕石を発見できるかというと、こちら(極地研究所資料)の様に隕石集積場所ができる仕組みにあります。
南極に落ちた隕石は数千年から数十万年かけて雪とともに移動し、山脈などで堰き止められると共に太陽や風で昇華して表面に露出します。また古くとも数十万年までと区切るのも、円柱状に採取した岩盤まで3035m(72万年分)の「氷床コア」にそれ以上古い雪(氷)がないからです。
隕石を実際に手に載せてみました(こちらやこちら)。
鉄を多く含んでいるのでズッシリとした重さでした。
同じ敷地内にある「南極・北極科学館」(こちら)も見学。
奥は以前東京タワー付近にあった南極観測で活躍したカラフト犬のモニュメントです。
こちらが月からの隕石、こちらが火星からの(と考えられている)隕石です。
月からの隕石はアポロ計画の中で持ち帰った月面の石との比較で判定していますが、火星からの隕石は間接的な分析によります。
殆どの隕石は小惑星から来ていますが、どこからきているかは分析できません。その意味で日本の探査機「はやぶさ」が「イトカワ」から持ち帰った石は特定できるという意味で重要なのだそうです。
「南極・北極科学館」では多様なタイプの隕石を展示しており、一部顕微鏡により結晶の様子まで見る事ができます(こちらやこちら)。
南極点に到達した時に使用した雪上車(こちら)やペンギンなどの剥製も展示していて、土曜日であった事もあり家族連れで訪れている親子の姿が目立ちました。