第14日はベルヴェデーレ上宮の美術館、楽友協会と王宮の銀器コレクション・シシイ博物館を巡り、オーストリアの芸術を堪能しました。王宮での展示が充実していて時間が掛かった上にスコールのような雨が降ったので、もう一ヵ所美術史美術館を見たかったのですが取止めました。
ベルヴェデーレ上宮(こちら)には地下鉄と路面電車D線を使っていきました。ウィーン中央駅(工事中)付近で乗換えるつもりでいたら、駅間移動途中の道路が工事で塞がっていて苦労しましたが、ガイドブックの地図と市街路線図を見ながら何とか利用する路面電車駅に辿り着きました。
ベルヴェデーレ上宮は一度パックツアーで訪れていますが、美術館に入るのは初めてで、ここでのポイントはグスタフ・クリムトの作品(特に『接吻』)を見る事でした。写真撮影ができませんがWebで拾ったイメージがこちら。
その他にも2~3点の良く知られた作品を展示していましたが、残念ながらクリムト・コレクションに期待した作品集の数が少なく迫力を感じませんでした。ただ、ダヴィッド『アルプス越えのナポレオン』の絵をここに見つけました。ヴェルサイユ宮殿美術館が収蔵していると思っていましたが、これは幾つかのヴァージョンが描かれたようです。ダヴィッドは一番気に入ったものを手元に残していたようで、彼の死後国王ルイ・フィリップの命でヴェルサイユ宮殿に収蔵されたそうです(こちらを参照)。
楽友協会(こちら)にはベルヴェデーレ上宮から路面電車D線で中心部へ。
楽友協会はウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地ですが、コンサートを聴くのではなく、建物内部のガイドツアーに参加しました。英語によるガイドなのでよく分からない事が多かったのですが、エントランス、小ホール、メインホール(「黄金のホール」)、地下の現代的ホール、特に音響に配慮したホールなどを案内してもらいました。
小ホールでは偶然にも(?)一部の人の練習中でしたが、音の響きが(専門家ではありませんが)非常に良かったと思いました。メインホールでは宮殿広間のような素晴らしい内装で、照明はシャンデリアでした。
次の王宮へは路面電車のオーパンリンクに入ったのですが相変わらずD線を使いました。
王宮ではまず銀器コレクションはら入りましたが、王宮の収納庫に収められていた膨大な数の金製・銀製・陶器の燭台・食器類が並んでいました(こちら)。
女帝マリア・テレジアのナイフ・フォークセットなど謂れのある物も並んでいました。磁器に描かれた絵には非常に繊細なものがあり、十数点のセットを製作するのに数年掛かったといいます。
日本語音声ガイドの内容で、華麗な金・銀の器でも戦費が必要となれば金貨・銀貨になったし、その結果磁器が見直されたといった事には納得というかハップスブルグ家でもそうなのかと感心というか・・・
シシイ博物館(と皇帝の部屋。撮影不可)は更に華麗でした。シシイとは皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の妃エリーザベトの愛称。展示は華麗な宮殿の内装や衣装(と肖像画)ですが、シシイ博物館全体を通して、自由に憧れていたのに妃になる事により、宮廷生活・儀式への精神的負担を生涯感じていたシシイの奥底までの想いとその結果の行動を伝えようとしていました。
日本語音声ガイドを聞きながらだった事もあるでしょうが、ガイド内容と展示物がマッチしていて非常に迫力がありました。
詳細は改めて投稿します。