2014年03月18日

映画「ゼロ・グラビティ」における現実との相違点で突っ込みを入れる解説を公開、一方で宇宙空間での描写を評価


宇宙技術開発(株)は解説ページ「特集」で「映画ゼロ・グラビティについて」を追加しました。原題は「Gravity(重力)」となっている所になぜ「ゼロ・グラビティ(無重力)」なのかという所から突っ込みが始まっていますが、この解説で30項目に亘って映画の内容と現実(理論、開発状況)との差異を技術者の目で指摘しています。

「映画を見ていない方にはネタバレになってしまう個所もあるので、映画を見た後で以下を読むことをお勧めします」としています。



ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の軌道傾斜角は28.5度、国際宇宙ステーション(ISS)の軌道傾斜角は51.6度、中国の宇宙ステーション天宮の軌道傾斜角は42.7度(天宮1号の場合)ですが、軌道傾斜角を変えるには非常にエネルギーを必要としますので、軌道傾斜角が異なる軌道へ移動させるくらいなら、別の宇宙船を打ち上げ直すのが常識と言います。

実際にハッブル宇宙望遠鏡サービスミッションSTS-125(アトランティス号)では、エンデバーがミッションSTS-400として万一の為の救援待機をしていました。



NASAの宇宙服を使用する船外活動ではセルフレスキュー用の推進装置SAFER(Simplified Aid For EVA Rescue)の装着が義務づけられていますが、映画の中では装着されていないのは、いくら将来の話でもこの安全基準を緩和することはないはず。



映画で設定しているシャトルはSTS-157「Explore:エクスプローラー号」となっていて、映画の内容は将来の話し(注:スペースシャトルの最終号機はSTS-135)ですから、開発が進んでできていたり現状と違う仕様であったりするので、指摘している事が解決している(そうなっている)可能性もあります。

映画の中でNASAの宇宙服(EMU)のヘルメット内がヘッドアップディスプレイ(HUD)になっているなどは、将来に実現しているはずの事を取り込んでいます。



そして、突っ込みを入れてはいますが、ISSの形状やソユーズ宇宙船の操縦方法等はかなり正確で、宇宙空間での描写を描いた映画の中では間違いなくこの映画は一番良い出来だという評価も忘れていません。



尚、YouTubeに配給元のワーナー・ブラザーズ (Warner Bros)が公式ビデオ(再生リスト)を登録しています。




こちらで紹介している通り、NASAも支援しています。


 
posted by 鎌倉太郎 at 01:42| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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