超高速インターネット衛星「きずな」による 世界初のスーパーハイビジョン画像伝送に成功【2009年5月18日】
スーパーハイビジョン(SHV)は、ハイビジョンの16倍(縦横、各々4倍)の高密度。
「きずな」は、2008年2月にH2Aロケットで打上げられてから、2008年5月に車載型アンテナによる1.2Gbps(622Mbps×2波)のデータ通信を確認、2008年8月には北京オリンピックでハイビジョン映像の3多重伝送・映像リモート編集・マルチキャスト配信などの実験をした上で、スーパーハイビジョン画像伝送(500 Mbps)の実験を実施・成功したもの。
現在運用されている衛星インターネットサービスでは、JSAT(日本)が最大上り2Mbps/下り10Mbps、Wildblue(米国)が最大上り256kbps/下り1.5Mbpsという事ですから、先端的なものである事は確かです。
しかし、「きずな」は技術衛星で商用には使えない(例えば、スイッチング機能が弱い・・・ようです)との事。未だ商用のBBISS衛星打ち上げの具体的な計画はないようです。事業の方向性が見えない上に競合力や投資効率が良くないという判断になっているのでしょうが、「日本を含むアジア・太平洋の高速インターネットが行き届いていない地域において、地域間の情報格差を解消し、医療・教育・災害対策に寄与する事が目的」ですから、国としてリーダシップを発揮して欲しいもの。この事を考える時に、単に衛星による超高速ネットワークの提供というだけでなく、日本の離島や東南アジアでの医療・教育・災害対策との連携で施策を本気になって推進すれば、「望まれる日本」になると思うのですが如何でしょうか。
・・・・と書いてきたら、偶々、以下のコラムが配信されていました。
公表された宇宙基本計画案(7)
政治の責任で5年ではなく、2年後に再度の見直しを【2009年5月18日】
厳しい書き方になっていますが、一読を薦めます。自分の意見と合うかどうかは別にしても、これまでの日本の宇宙計画・推進背景を知る意味でも有益でしょう。