2009年03月17日

エジプト旅行(21):エジプト考古学博物館(1)

エジプト旅行の全体行程などについては、以前の投稿にあります。



ツアー最終日になった8日目は、エジプト考古学博物館見学。この博物館についてはフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』を参照(英語版はこちら)。

エジプト考古学博物館の公式サイトはここのはずですが、現状は開けません。



ビデオ/カメラの持込みは禁止(以前は料金を払えば、可能だったのですが・・・・)なので、ガイドの説明があった展示品について、Webサイトで掲載している写真を借用してガイドの説明を付加しておきます。

ガイドのポイントとなる展示品の説明を聞きながら、ざっと見るには2時間でも可能です。しかし、それと同じ展示品だけを見るにしても、ガイドブックの記述などを参考に一点毎にある程度満足するまで見学するには、1日の開場時間を全て使っても足りそうもありません。
今回のツアーでの見学時間は全体で3時間でした。これでも他のツアーから比べると多い方のようですが・・・・・・・



今回のガイドの説明ルートは、古王国時代とツタンカーメン王の秘宝、それにミイラ室に限られていたといってもいいでしょう。実際にガイドの説明を受けたものを紹介しておきます。ツタンカーメン王の秘宝エリアは次回に投稿します。

ガイドから言われた事ですが、これまでの「エジプト各地を見学して勉強した復習」という訳です・・・・・・


年代順に古王国時代から入りますが、まずは博物館の入口から左方向の47号室(通路?)の方向へ進みます(2種類の違う系統のガイドブックで、同じ番号系を採っていますので、恐らく博物館側で設定した番号を流用しているのでしょう・・・)。

1階のレイアウト



入口を入って直ぐ左前にラムセス2世像。エジプト各所の神殿などの建設に関与していますので、アブ・シンベル神殿(投稿はここ)・ルクソール神殿(投稿はここ)など以前の投稿でも紹介しています。今日エジプトが観光立国であり得るのも、このファラオのお陰という事になりますので、年代エリアを超越して入口に設置されているのでしょうか・・・・・・・

Ramses II




47号室内には、エジプトのピラミッド建設に関わったファラオの像。

サッカラの階段ピラミッドを建設したジェセル王(投稿はここ)。

Pharoah Dsojer




もう一体がギザの三大ピラミッドの1つを造ったメンカウラー王の像(投稿はここ)。第3のピラミッド内で発見されたそうです。

Menkaura




中央はメンカウラー王、左はハトホル女神ですが、右は諸説があるようで、(複数作られていて)上下エジプトを各々表す地方(州)の神(の一つ)であるとか、メンカウラー王の后であるとか・・・・・・・こちらも見てください。右の頭上のレリーフの違いに注意。




入口から入って1階を時計回りに巡ります。47号室(通路)を過ぎて右に回ると42号室で、ここのテーマは役職の者の像。


まず、ギザの三大ピラミッドの2番目を造ったファラオ・カフラー王(Khafre)で、後頭部にはホルス神が羽を広げて守護しています。

Cairo Ancient and Modern




世界最古の木造肖像彫刻といわれる神官(官僚?)カー・アペル(Ka-aper)の像。発見者の村の村長に顔が似ていたので、「村長の像(The Sheik-el-Beled)」というニックネーム・・・・・。

Sheik-el-Beled




書記の坐像(Seated Scribe)。ルクソール博物館でも書記を紹介(投稿はこちら)していますが、こちらの書記像の保存状態は特に良いものであるとか。

Cairo Ancient and Modern




隣の32号室。その中から37号室へ行くようになっていました。(掲載のレイアウトと若干違います)
ここは微笑ましい夫婦をテーマとしているようです。


32号室には、王の衣装係だったといわれるセネブと家族の像(Seneb and his wife)。セネブは小人症ですが、このような配置にする事で、家庭の温かさを示すと共に見る側に安堵感を与えてくれます。子供が口に指を咥えているシグサは、この時代の幼児の定型的な表現法との事。

Seneb - Cairo museum



発見場所は、カフラー王のピラミッドの北にあるセネプの墓であるという話しと、クフ王のピラミッドの横にある娘のピラミッドに入っていたという話しがあります。後者の話しから、セネブの妻とはクフ王の娘で、小人ゆえにクフ王が結婚を許さなかったが、5回目(?)の申入れで許されたという話しに繋がっています。(裏付けの資料はありません・・・・)



32号室にはもう一つの夫婦像、ラヘテプとその妻ネフェルト(Rahotep and Nefert)の像があります。ラヘテブはクフ王の兄弟で神官であったといます。尚、ラヘテプが右親指を立てるのは「愛している」事を伝え、妻ネフェルトが右手を胸に置くのは尊敬を示すそうです。

Cairo Ancient and Modern




37号室は、クフ王の母であるヘテプヘレス王妃の特別展示室になっていますが、その片隅に現存する唯一のクフ王の像があります。高さは7.5cm。

DSC06498




26号室(通路)にはメンチュヘテプ2世像があります。メンチュヘテプ2世(Mentuhotep II)は、古王国時代後期の混乱を収めエジプトを再統一して、中王国時代の基礎を作ったファラオです。解説はフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』の「エジプト第11王朝」の項を参照(英語版は"Mentuhotep II"の項を参照)。


piedra pintada




第11号室(通路)にはハトシェプスト女王の頭部像があります。これまでに投稿したように、ハトシェプスト女王葬祭殿(投稿はこちら)を造った当人ですが、ハトシェプスト女王のオベリスク(投稿はこちら)と同様に、トトメス3世から事跡を抹消された為に殆どのレリーフや像が壊されました。葬祭殿の砂の中から発見されたといいます。

Hatshepsut large head



 
posted by 鎌倉太郎 at 23:55| ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記-エジプト | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック