米国・連邦通信委員会(Federal Communications Commission)が、未使用テレビ周波数帯を非ライセンスで利用(Unlicensed use of Television White Spaces)できるようにするルールを採用するとのニュースが入ってきました。
http://www.fcc.gov/ 2008/11/4 News Release
FCC Adopts Rules For Unlicensed Use of Television White Spaces. (pdfファイル)
これによって、非ライセンスで新しい革新的な種類の装置がブロードバンドデータやその他サービスで提供されるようになるとしています。(「・・・the use of these new and innovative types of unlicensed devices in the unused spectrum to provide broadband data and other services for consumers and businesses.・・・」)
TVや携帯電話の利用周波数帯が特定の機関(企業など)にライセンスされているのに対し、無線LAN(Wi-Fiネットワーク)のように免許無しに誰でも使えるようになるとの事。
未使用テレビ周波数帯(unused TV spectrum)は、テレビ放送などで地域ごとの空きチャンネルを言います(『ホワイトスペース(white spaces)』という用語が使われるようになって来ています)。
FCCからは2004年(!)に提案されていましたが、放送業界(テレビ周波数帯との干渉)やエンターテインメント業界(ワイヤレスマイク使用への干渉)などの声で延びていましたが、IT業界からの働きかけもあって今回のニュースになったようです。
このFCCの決定は確かに大きい影響があるものと思います。無線LANの(日本での)2.4GHzや5GHzでの電波到達距離が数百メートル程度なのに対し、TV電波到達距離まで広げる事ができます。米国の都市で試行されているWi-Fiネットワークがコストの故に(だけではないようですが・・・・)順調でないのに対して、低コストでの実現が可能になりますし、都会から離れた場所でも利用できるようになる訳です。
実現できるようになった時には、今度は携帯電話業界への影響があるかもしれません。きっと、プロバイダー経由の無料(TV)電話が登場しますね。
実現には技術的なテーマが未だあるようで、次の機能を備えている必要があります。
- 位置情報を把握できる機能
- 現行のテレビ放送事業者やケーブルテレビ(CATV)事業者の設備に関する使用状況データベース(the Internet a database of the incumbent services)にアクセスして、その場所においてどの周波数が空いているかを検知する機能
- 周辺で利用している周波数を探知する機能
- 検知した周波数と照合した上で、使用する周波数帯を決定する仕組み
更に、できた製品についてはFCCのラボラトリーで検証するとしています。
尚、ワイヤレスマイク使用への干渉については、その使用情報を上記ようなデータベースに登録する事で回避できるとしています。
日本でのアナログTV終了後の周波数利用跡地も、『総務省−情報通信審議会情報通信技術分科会』で有効利用の為の検討がされています。
そこでは、
- 無線LANのような一般的に普及した技術・仕様を活用
- 技術的な機器を通して規格・ルールに合った使い方の範囲では無免許でも利用可能
- できるだけ広域の電波到達を前提(設備コスト・作業の低減、遠隔地利用)
- 電波の利用で地域的な特性(未使用周波数帯など)も考慮した周波数帯の有効利用
日本でもモバイルWiMAXのサービス(2.5GHz帯、通信半径約1k〜3km、実際の伝送速度は数M〜数十Mビット/秒、「IEEE802.16e」規格)が実現しますし、第n世代携帯電話(通信方式)もありますが、日本が携帯電話で世界から(その時点では)高度な技術・豊富な機能で先陣を切っているうちに、世界での競合力が無くなってきたのと同じ様な事になる事も考えられます。安価で、オープンで、安定した技術の活用などで、必要不可欠な範囲の機能実現を(実現する為の高度技術開発はしていく)コンセプトにする事も必要ではないでしょうか。(直近では、「Eee PC」も)
本ブログ内の関連投稿:
「米国700MHz周波数帯入札の結果と日本でアナログ放送終了後の周波数の使い道」【2008年03月26日】



