「2008年秋のフェムトセル規制緩和に向けて、実現ステップが開始」【2008年07月13日】
「フェムトセル」については、ここの投稿を参照。
「携帯電話サービスの形態を大きく変える『フェムトセル』」【2007年10月18日】
さて、関係省令の改正案に対する意見集約では特に反対はなく、電波監理審議会からも「原案は適当」との答申から、総務省は「関係省令等の改正を行う予定」との事。
参考資料:(9月3日 総務省資料)
フェムトセルの実現ステップでのもう一つの課題は、フェムトセル基地局をブロードバンド回線に接続できるようにする事(電気通信事業法に関わる部分)。4月17日に発表され総務省の考え方と「取扱方針」では、この課題は法律的な事項では無いとして、「次世代IPネットワーク推進フォーラム」での事業関係者の協議に任せるとしていました。前回の投稿を参照。
「次世代IPネットワーク推進フォーラム」での検討は、
- 「IP端末部会」の「固定・移動シームレスSWG」
- 「IP端末部会」の「責任分担モデルWG」
フェムトセル規制緩和に向けた制度面の整備は,10月ごろまでには完了する見込みとの事。一方の「次世代IPネットワーク推進フォーラム」での検討は、6月に
- フェムトセル基地局を利用した携帯電話サービスに係る関係事業者間の連携等に関する運用に係るガイドライン(案)
- フェムトセル基地局の技術基準及び技術的条件(案)
フェムトセルは、その装置について単独の見方をするのではなく、携帯する通信手段(通信、端末)と自宅での通信手段との融合(をフェムトセルで実現する)というシステム的な意味で捉える必要がありますが、直近で実現する機能という事では(少し古い記述で、通信手段の違いがありますが)
FMC(fixed mobile convergence)
が分りやすいです。
今の所は量販店でフェムトセルを売る事はなく、通信事業者の付加サービス(を実現するインターフェース装置)として実現する事になりそう。
早速、「三菱電機のフェムトセルをNTTドコモが採用」というニュースも飛び込んでいました。
三菱電機とNTTドコモとの共同開発ですが、今後のスペックの方向性という意味で列挙しておきます。
- 超小型・軽量(容積1リットル、質量600g) ⇒ 壁や天井設置も可能
- 省エネルギー設計(低消費電力12W以下)
- PoE(Power over Ethernet)対応 ⇒ ブロードバンド接続に必須
- 半径数十メートルのエリア内で最大4ユーザーが同時に高品質な通話やデータ通信が可能 ⇒ 音声品質の確保
- アクセス回線にIP(Internet Protocol)伝送路(IPレベルの暗号化) ⇒ 低コスト、セキュリティ確保
- Plug & Play機能 ⇒ ユーザー設定作業の簡易化
- 遠隔保守対応(基地局機能のバージョンアップ・運用パラメータ変更) ⇒ 設置後の運用コスト削減
http://www.mitsubishielectric.co.jp/corporate/giho/0801/pdf/0801006.pdf (pdfファイル3ページ目)
【改訂】(2008/9/13 21:20)
フェムトセルの活用システム図の追加
【改訂】(追記:2008年9月24日 10:40)
ソフトバンク対応でのフェムトセルの機器については、こちら(NECが受注)。
記事に出てくる「MS(IP Multimedia Subsystems)」Iについては、こちらを参照。