2008年07月13日

2008年秋のフェムトセル規制緩和に向けて、実現ステップが開始


フェムトセルについては、これまでに何回かに分けて状況を投稿してきました。初回はここ直近はここ




7月9日に総務省から「電波法の一部改正に伴う関係省令等の一部改正案に係る意見募集」が公表されました。


第169回国会で、フェムトセル基地局の導入を容易にする為に、無線局の運用の特例を追加する電波法の一部改訂が通りました(5月30日に公布)。今回はその制度整備で関係省令の改正案に対する意見募集という訳です。




改定点は、
  • 簡単な操作は無線従事資格を持たなくてもできる
  • フェムトセル基地局に対する届出の簡素化
  • フェムトセル基地局の無線設備の技術基準の明確化
です。募集期間は8月11日まで。


フェムトセル実現に関するもう一つの流れは、フェムトセル基地局をブロードバンド回線に接続できるようにする事(電気通信事業法に関わる部分)。
総務省の「取扱方針(案)」に対する意見公募(2月6日~3月10日)が行われ、パブリックコメント(3月14日公表)に対する総務省の考え方と「取扱方針」が4月17日に発表されています。



総務省の考え方以前の投稿で要約したパブリック・コメントの項目毎でいうと、

  1. 新たな利用形態に対する固定ブロードバンド回線への追加投資の負担をどうするか
     ⇒次世代IPネットワーク推進フォーラムを関係者協議の場とする
  2. 携帯電話の固定回線経由の通話品質をどう保つか(電波障害・干渉、通話品質基準、品質・障害の責任主体、ブロードバンドサービスへの品質影響度、協議の場)
     ⇒次世代IPネットワーク推進フォーラムを関係者協議の場とする
  3. 携帯電話だけでなく、PHSや今後の無線通信方式でも類似の法体系整備が必要
     ⇒実現に向けて進んでいる携帯電話対応に限定した議論とする
  4. 固定ブロードバンド回線契約者以外の第三者活用(喫茶店など)で、ISPの契約約款を維持すると実質フェルトセル基地局は実現できない(させない)
     ⇒利用契約内容の遵守が必要だが、その技術的課題は携帯電話事業者で対応すべき
  5. フェムトセル基地局の売切り制の実現にあたっては慎重な対応が必要で、改めて広く意見を求めた上で策定して欲しい
     ⇒次世代IPネットワーク推進フォーラムを関係者協議の場とする
  6. 緊急通報位置情報通知を確実に実施できる仕組みが不明確
     ⇒次世代IPネットワーク推進フォーラムを関係者協議の場とする
  7. NTT東西・DOCOMO等への規制は、KDDI・ソフトバンクとの競争条件で不平等
     ⇒強者規制は継続、既存の規制では同等に扱う
といった所。


総務省では「次世代IPネットワーク推進フォーラム」での議論を踏まえて、2008年秋を目途にフェムトセル基地局の運用に関するガイドライン等を策定しようとしています。

暫くは「次世代IPネットワーク推進フォーラム」を注視するという事でしょうか。

posted by 鎌倉太郎 at 23:38| 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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