昨日(5月30日)に東京都美術館で開催してるブリューゲル「バベルの塔」展(開催期間:2017年7月2日)に行ってきました。
ブリューゲル(Pieter Bruegel the Elder)の「バベルの塔(The Tower of Babel)」は、旧約聖書の「創世記」中に登場する巨大な塔で、天に届く塔を建設しようとして神の怒りに触れ、それまで人間は1つの言葉を話していたのに言葉が通じなくなり、実現できなかったという神話からきています。
早速、作品がこちら。
かなり高精細ですが、約60㎝✕74.5㎝の油彩画です。画像をズームして100%サイズで300×400pixelにすると下の様になります。
絵画の中に1400人ぐらい描かれているとかで、精細に描く超絶技巧には驚きました。多くの画家がバベルの塔を描いていますが、バベルの塔を壮大なスケールで描くようになったのはブリューゲル以降なのだそうです。
先行して同じテーマを描いた「The (Great) Tower of Babel」(114 cm × 155 cm)があります。こちらは今回の展示作品にはありませんでした。
別のカタログによると、東京藝術大学の「Arts & Science LAB.」でこの展示会の開催期間に合わせて、「バベルの塔」の立体化などの展示をしているそうです。今回はカタログに気が付かずに見る事ができなかったので、別件を作って見に行きたいと思っています。
お目当てはこれだけでしたが、今回の展示会で教えられたのは、ヒエロニムス・ボス(Hieronymus Bosch)というブリューゲルに影響を与えた人がいた事。ヒエロニムス・ボス「奇想の画家」として、こちらのような動物を疑似化して(時として醜く)描いて、人間の心情を風刺的なテーマとしています。
ブリューゲルの時代は格言・教訓を絵画化する事が良く行われたそうで、ブリューゲルも版画(エッチング)「大きな魚は小さな魚を食う」(こちら)や「野ウサギ狩り」(こちら。狩人の後ろに忍び寄る人物・・・)といった作品を多数残しています。
この流れの中で「バベルの塔」を見ると納得します。